風にたよりながら歩く(今日を歩くことが、一番確かなこと)

軽井沢のハルニレテラス

流れる風をたよりに
なんの根拠もなく、その方向を定め

宛てがあるわけでもなく
それでも歩いていく。

「明日」に自分を引っ張られ
「昨日」に、少し弱気になった自分の背中を押され、

今日の私は
ただただ、その一歩に想いを踏む。

ここにも空はある。

この大空の懐に
こころが溶けていくのを感じるとき、

地球という、大きな船の片隅で
私という、ちいさな自然の一部分が

今日もうれしさを抱え
歴史のスキマを歩いている。

木漏れ日をちょこんと踏んでみる。

ここにもあった、私の大切なもの。

みんなとひとつに繋がった
空と大地を
静かに丁寧にたしかめる。

景色と同じリズムで息をする時間
外の風にほおをなでられながら
パンを食べる
また出かけたくなるのは
帰り道があるから
誰かと一緒でも、ひとりでも。