気づいたら、自分を見失っていた。
そんな過去の私が、“心の味覚”を取り戻すまでの小さな再生の記録と、この場に込めた想い。

こんにちは。
『センテンスモネ』のmayuです。
これまでの歩みを見つめ直しながら、自然体で自分らしい生き方を目指す場として、『センテンスモネ』を立ち上げました。
ここ数年、私自身にも大きな変化が訪れました。
他人の評価や期待に沿うことが平和だと思い込んでいましたが、ようやく自分の声に耳を傾け始めたのです。
本当に大切なのは、他人の基準ではなく、自分の心がよろこぶ生き方だと気づきました。
これまでずっと置き去りにしてきた自分の声を、少しずつ拾い上げていく日々が今、始まっています。
小さな幸せを見つける
人生をかけた壮大な夢を持つこともすばらしいけれど、「手を伸ばせば、温度を感じることができる」そんな少し先の距離にある幸せを追いかけていく暮らしも、悪くありません。
まずは自分の指先を目で追う。
足元の花を確かめる。
空の青さに目を細める。
そんな風に、ふとした瞬間に心をとめることが、
思いがけず、人生の大切な指針になったりするのです。
『センテンスモネ』では、そんな視点を大切にしながら言葉を紡いでいきます。
それは突然やってきました
ある年の夏の初め、自分の言葉に異変を感じました。
話したい言葉がうまく出てこない。
書きたいことがまとまらない。
次第に、相手の言葉さえも理解できなくなっていく。
不安に駆られながら、夫に連れられて病院へいきました。
原因を探りながら薬をいろいろ試すも、なかなか症状は落ち着きません。
安定した言葉がでてこないんです。
やがて、それはストレスによる圧迫が原因だと判明しました。

みなさんは、感情を失ったことがありますか?
心がストップしてしまう経験。
かつて私は、「感情の起伏がない人って、楽でいいな」と思ったことがありました。
傷つくことも、振り回されることもなく、安定した心でいられたらどんなに生きやすいだろう、と。
私はちょっとのことで傷ついたり、心を揺るがされたり。
流れてくる暗いニュースに、自分を投影したり。
決してタフとはいえないタイプです。
突風みたいな情報や空気に煽られ、心のアップダウンに自分を左右され、あげくはこんなことになった。
ああ、うざい。
すべてがうざい。
そしてついに、厄介だった感情は、薬の副作用という形で薄れていきました。
心が真っ平になったのです。
でも実際に、心の波が消えた世界(感情のうすい世界)は、想像していたものとは違いました。
何をしてもつまらなく、自分の鼓動すら実感できなくなってしまったのでした。
「生きてる気がしない。辛くも楽しくもない。悲しくも嬉しくもない。」

ごはんを食べて「おいしい」と感じるように、
生きていくうえで、五感は心に栄養を与えています。
けれど感情がなくなると、心の味覚障害になってしまい、五感も表情もなくしてしまう。
生きる喜びをも失われてしまう。
それは、本当に苦しいことでした。
この経験を通して、私は気づきました。
日々の小さな心の揺らぎに気持ちを寄せて、もう一度、自分の暮らしのアプローチを考え直そう。やってくる波には、自分の納得のいくカタチで波乗りをし、誰のせいにもせず潔く生きていきたい。
そう心に刻みました。
思えば、私はずっと「スムーズに進めること」を最優先にしていました。
矛盾や理不尽に直面しても、できるだけ深く考えずに、波風を立てずにやり過ごす。
でも、それはただの「逃げ」だったのかもしれません。
表面的には頑張っているつもりでも、内面の自分を置き去りにしている限り、どこかでバランスが崩れてしまう。
そして気づいたときには、
「助けがほしい」という自分の声すら、聞こえなくなってしまうのです。
このことをはっきりと自覚できてから、私は確信しました。
幸福とは、「自分が本当に大切にしているもの」を基準に決まるのだと。
つまり、それは「価値観」なのです。

最近は「がんばらなくていい」「無理しなくていい」という言葉をよく耳にします。
それは、心にも体にもやさしい風潮。
でも、それをはき違えてはいけないな、とも感じています。
ただ流されるのではなく、
自分の意志で「選ぶ」ということが大事なのです。
私自身、ストレスに押しつぶされて、
考えることさえままならなくなった経験があります。
感情が動かず、何も感じないまま、無気力に時間だけが流れていく日々は、外から見れば「ゆるやか」な時間かもしれない。
でも、当事者にとっては、
あれほど深い「無の闇」はありませんでした。
だからこそ、思うのです。
チャレンジや努力を詰め込むのではなく、
だからといって空白の中で、ただ呼吸するのでもなく、
五感を感じることの価値を、自分に与える。
感謝してそれを受け入れ、
考えるべきことはきちんと考え、
想像し、思考を巡らせながら、人間らしく生きていく。
そんな時間を、大切にしたいと思うようになりました。
私たちを焦らせるものの正体
私たちは日々、目まぐるしい情報の波の中で生きています。
特にSNS。
インスタグラム、Twitter、Facebook、Threads。
次々と生まれる新しいつながりの形。
多くの価値観に触れられるのはメリットでもある一方、
気づけば、他人の基準に惑わされてしまうことも少なくありません。
「私はこれでいいのかな?」
「もっと頑張らなきゃいけないのかな?」
そんな焦りに心をかき乱される前に、
私たちは自分にとっての心地よさを、もっと知る必要があるのかもしれません。
自分を満たすものを知る
では、そのために何ができるのか。
まずは「自分を知る姿勢」を整えることから始めます。
メガネを外し、
イヤホンを外し、
マスクも外し、
素の自分で、五感を研ぎ澄ませる時間を確保する。
たとえば、好きなカメラを手に取って、シャッターを切るときの感覚を、いつもより丁寧に味わってみる。
そういう小さなことの積み重ねが、
いつの間にか、自分を取り戻すための大きな道しるべになることもあるのです。
ここは、未完のドキュメンタリー
『センテンスモネ』は、
「言葉にしにくいナイーブな部分を大切にしながら、自分の人生を、心地よく、充実した気持ちで組み上げていく」
そんな、ちょっと抽象的なサイトです。
カリッとした答えを提示するのではなく、
日常の中にある「嬉しい」「楽しい」を、もっと感じていこう。
そんな気持ちで綴っています。
読む人それぞれの解釈で、自由に受け取ってもらえたら嬉しいです。
また、いつどんなタイミングで読んでも大丈夫な場所でありたいと思っています。
即効性のあるコンテンツではないかもしれません。
けれど、心の奥でじんわりと温まるような、
そんな言葉を届けられたらいいな、と思っています。
心の状態と、明日の景色を変える力
これまで、私は「書く人」として、数えきれないほどの文章を書いてきました。
そこには、はっきりとした目的のあるものも多かったです。
集客、売上、アクセス数。
競争もたくさん。
比較もたくさん。
けれど、『センテンスモネ』は違います。
数字でははかれない感覚や、
見落としていた「当たり前」に、もっと気づいていきたい。
心の温度を感じながら暮らしたい。
周囲の人の熱も感じたい。
情報に踊らされるのではなく、
自分の気持ちを見つめ、
心の方向にしたがって生きていく。
心が揺れ動くこと。
それは、人生に豊かさをもたらす、とても大切なものだから。
言葉の波を届ける
『センテンスモネ』には、あなたにぴったり合った正解はないかもしれません。
ここにあるのは、私の思考や体験から生まれた、
あなたから見れば、ほんの小さな微点にすぎないものです。
けれど、
何かのヒントが残せたらいいなと思っています。
めまぐるしく変わる日々の中で、
私と同じような想いや、
もどかしさを感じている人もいるはず。
だからこそ、
ここから何かを見つけて、
自分なりにカスタマイズして、
あなたの心の湖を守るために注いでみてください。
そして。
どこまでも透明で澄みわたる水をたたえた、心の湖を持つあなたに、いつかお会いできることを楽しみにしています。
ここまで長々と(本当に長々と)読んでくださり、ありがとうございました。
どうぞよろしくお願いいたします。
mayu