もしもあなたが今までに、自分の暮らしや人生を良くしたいと思ったことがあったとして、この思考を身につけようと試みたことがある人は、少ないのではと思います。
ここで取り上げる「アナロジー思考」は、過去にも書籍がたくさん売れて話題になりました。
ですが、ビジネス向けに書かれたものが多く、せっかく興味を持って読んでも、日々の暮らしに活かしていくところまでは到達できなかった方も多いのではないでしょうか。
どうして私はこんな風に、改まって話題にしているのか。
(おいおいどうした、と思いますよね^^)
それは、このアナロジー思考を学んだことで、「きた!」と思う手応えを感じたからです。
「これは使える!」と。
ただ単に、みなさんに読んでもらいたいとか、面白かったよとか、このテの本は難しいよねとか、そのようなことを言いたいわけではありません。
(もちろん、読んでいただきたいし、面白かったし、難しかったです)
自分に起こる大なり小なりの事件を納得して受け入れられるようになって、圧倒的に生きるのが楽になる変化を見つけたので、伝えたいのです。
ここでは、まずはふんわりでもいいからアナロジー思考のニュアンスを把握し、暮らしに活かすチャンスを見つけるところまで実践していきます。
(ふんわり、ぼんやりレベルの理解で十分です)
自分を騙し騙し生活するのではなく、心から気持ちよく、かつ納得できる満足度の高い暮らしにつなげていきます。
一生握っていたい持続可能スキル
一般的に人は、自分に変化を必要とした時には、まず外側からの変化を求めます。
人脈を集めようとか、資格を取って証明しようとか、やる気を出すために講座を受けよう、などの目にみえる解決策を求めます。
これらは、実績が形として残るので自分でも安心できる手段で、がんばろうという意識も加速します。
ですが、一生モノの変化が欲しいのなら、その努力の方向を少し変えてみることも大切です。
外側ではなく、内側へ目を向けます。
スタートダッシュは外部の変化の方が強いですが、継続して変化を保てるのは内面(考え方)の変化です。
「願えば叶う」という言葉があります。
気持ちや考え方次第で、自分に望みを近づけることができる期待値の高い言葉です。
紙に願いを書いて望みを叶える。
疑心暗鬼になりながらも、今も多くの人が実践していることです。
面白いことに、願いを実現できた人たちは、他の誰かと比べて特別に運が良かったわけではなく、完璧な規律正しい生活をしていたわけでもありません。
このような運と偶然を超えるモチベーションを作り出す思考は、すでにあなたにも存在しているのです。
それがアナロジー思考です。
人生を柔軟に生きる術は、すでに自分の中にある
アナロジー思考。
言葉だけ聞くと、専門的なビジネス用語かフレームワークかのように聞こえます。
でも実はこれ、私たちのすぐ身近にあるのです。
たとえ話もそのひとつです。
「例えばね〜」
「〜のような感じ」
「〜みたいな」という比喩が、アナロジーと同じ働きをしています。
自分の知っている範囲で、イメージしにくい言葉をなじみ深いものへ変化させるのです。
つまり、アナロジー思考というのはわかりやすく言うと、
「自分の知らないことを、自分の知っている分野で置き換えて考えること」です。
私は「畑違いの出来事やアイデアを、自分の畑へ持ってきて活用する」とよく言っています。
ここでひとつ、私のエピソード(実際の例)を挙げてみます。
私は医者嫌いで人間ドックも本当にイヤでイヤで(泣)、いつも直前までキャンセルを考えてしまいます。
そんな時、車検を思い出しました。
以前、車検でエンジンの不具合が見つかって安心できた過去があります。
(走行中に車が止まるのを未然に防げてよかった!)
それを思うと、私もきちんと人間ドックへいかないといけないな、と思うのです。
これは「車検と人間ドック」「エンジンと心臓」を、アナロジーを使って考えて行動できたパターンです。
どうでしょう。
こんな感じかな、というイメージができたでしょうか。
似通ったモノコトを比べて考えたり、たとえ話を視点をずらして活用するだけで、一人で勝手に考えすぎて複雑化してしまう思考からスッキリ解放されます。
無意識のうちに、無関係な問題を自分のせいにして苦しんだり、始終ビクビクしたり、根拠のない不安を抱えてしまう日常から脱することができます。
そして心が軽くなり、安心して深呼吸できるようになるのです。
内面が安らかになることは、ゆったりした人生を送れるということです。
ネガティブなことにフォーカスせず、別の側面から判断することができるようになります。
健康な心、健康な体は、考え方の角度を変えるだけで維持できるのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチもアナロジー思考
私はレオナルド・ダ・ヴィンチが好きで、彼のことが書かれている書籍をよく読みます。
何よりノート術や手帳術、書くこと、筆記具が好きなので、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿に大いにそそられます。
何年か前に『レオナルド・ダ・ヴィンチ』という本が発売されました。
『アインシュタイン』や『スティーブ・ジョブズ』の著者としても有名なアメリカの伝記作家、ウォルター・アイザックソンが書いたものです。
レオナルド・ダ・ヴィンチの書き残した大量のノートをベースに、彼の人生を辿っていく内容なのですが、ある言葉が頻繁に出てきていました。
「アナロジー」です。
天才と呼ばれたダ・ヴィンチの発想の手法は、このアナロジー思考が大きく関係していることがわかりました。
専門家になる必要はなく、日常でちょこっと使えるだけでいいのです
アナロジー(analogy)なんて言うと、身構えてしまうかもしれません。
(私もそうでした)
書籍も実用書の棚に並べられていたり、ビジネスっぽい雰囲気もあります。
ですが、実際にアナロジー思考について知ると、むしろ日常生活での方が適用できる機会が多いのではと思いました。
心軽やかに、余裕をもった日常。
これって、自分のポテンシャルも引き出せそうな気がしませんか?
現時点で入手可能なアナロジー本を、できるだけ読みました。
(手に入りにくいものは複数回、図書館で借りました。一度では理解できないものもあったので)
それらを、私なりに日常に落とし込めるよう消化して、記事にしてみようと思いました。
アナロジーは専門家が存在するように、とても奥の深い世界です。
私もアナロジーの思考を深めていき、記事を更新しては修正、更新してまた修正を繰り返し、これからも日々アップデートしていきたいと思います。
日常生活でも活かしていけるシーンをみつけて、それらをシェアしていけたらと考えています。
その際は、ぜひ紅茶でも飲みながら、リラックスして読んでいただきたいです。
そして、もしも小さなフックが見つかったら、みなさんの暮らしのヒントにしていただければと思います。
ということで、この記事はアナロジー思考の世界の序章とさせていただき、最後にレオナルド・ダ・ヴィンチのアナロジー思考の様子を抜粋し、着地しようと思います。
レオナルド・ダ・ヴィンチ大先生のアナロジーをちょっとだけ
人体という小宇宙と、地球という大宇宙のアナロジーを使ってモノを考えている。
『レオナルド・ダ・ヴィンチ』ウォルター・アイザックソン著
都市は呼吸する生き物なので、その体内を血液が循環し、老廃物を排出するシステムが必要なはずだ、と。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、血液の循環から発想を転換し、都市での物流の流れや廃棄物の流れなどの循環を構築しようと考えました。
人体を都市と見立てて、アイデアを生み出していたのです。
静脈や動脈を調べるときは、その流れや分岐の様子を人間の消化器系、泌尿器系、呼吸器系と比較した。
『レオナルド・ダ・ヴィンチ』ウォルター・アイザックソン著
また、川の流れ、空気の動き、植物の分岐とも比較している。
こちらは「人間の血流」と「自然」でアナロジーを使って比較しています。
このようにレオナルド・ダ・ヴィンチは、アナロジーを使って自然だけでなく、人体と機械を比較したり、水や空気の知識で、血液がらせん状に大動脈に流れる様子を推測したりしていました。