写真は語り、言葉は静まる

言葉がすべてじゃないとしたら、
私たちは、何を通じてつながっているのだろう。

風が止んでいた

伝えようとしなくても、伝わってしまうもの。
言葉少なに交わされる、静かな対話。
ときに沈黙。

言葉がないぶん、まるごと受け取るような感じがして、なんでもない一瞬が不思議と忘れられなくなることがある。

差し込む光がしっとりしていたので

たぶん、言葉を通して届くことよりも、
言葉にならないまま残っているもののほうが、
深く、静かに響いているのかもしれない。

日々の何気ない瞬間にも、そんな沈黙の対話が、ひっそりとひそんでいる気がする。

音の底にある静けさ
反響しない気持ち

禅の言葉に「不立文字(ふりゅうもんじ)」というものがある。
言葉に頼らず、心で受けとめるような伝え方。

写真にも、それに近いものが写る。